クーリングオフができる取引と期間
クーリングオフができる期間は、取引の種類によって違います。
なお、クーリングオフは発信主義をとっています。クーリングオフ期間内に消印で送付すれば、相手に届くのはクーリングオフ期間経過後でも大丈夫です。
「訪問販売」「電話勧誘販売」「特定継続継続的役務提供(エステ・学習塾・英会話など)」「連鎖販売取引(マルチ商法)」「業務提供誘引販売取引(内職・モニター商法)」がありますが、下記にクーリングオフができる期間を記載しました。
契約書などに不備があるケースなどにより、クーリングオフ期間が延長される場合もありますので、お気軽にご相談ください。
訪問販売
セールスマンが自宅に訪問して販売をする場合、消費者にとって不意打ち的な販売方法のものを訪問販売として規制しています。
なお、下記の場合は店舗などでの契約であっても訪問販売に該当します。
- 街頭などで呼び止められて店舗などに同行して契約した場合
- 目的を偽られて来所した場合
- 特別に有利だと言われて来所して契約した場合
契約に至るまでの経緯が「訪問販売」に該当し、契約したものが「政令で指定された商品・サービス・権利」である場合、クーリングオフが可能です。
申込書または契約書の交付をうけた日から8日以内であれば、クーリングオフが可能です。書面をもらった日を1日目として計算します。
電話勧誘販売
事業者から電話をかけてきてその電話で勧誘する場合です。
また、一度電話を切ったあとに改めて、下記の通信手段で申し込んだ場合もクーリングオフが可能です。
- 電話
- ファックス
- 手紙
- 電報
- 電子メール
- 代金の送金など
契約に至るまでの経緯が「電話勧誘販売」に該当し、契約したものが「政令で指定された商品・サービス・権利」である場合、クーリングオフが可能です。
申込書または契約書の交付をうけた日から8日以内であれば、クーリングオフが可能です。書面をもらった日を1日目として計算します。
特定継続的役務提供取引 (エステ、英会話、学習塾、結婚紹介サービス)
エステ・英会話教室・家庭教師・学習塾・パソコン教室・結婚紹介サービスで以下に該当する場合は、クーリングオフが可能です。
種類 | 契約期間 | 金額 |
エステティックサロン | 1ヶ月を超える | 5万円を超える |
英会話教室 | 2ヶ月を超える | 5万円を超える |
学習塾 | 2ヶ月を超える | 5万円を超える |
家庭教師 | 2ヶ月を超える | 5万円を超える |
パソコン教室 | 2ヶ月を超える | 5万円を超える |
結婚相手紹介サービス | 2ヶ月を超える | 5万円を超える |
契約書の交付の日から8日以内であれば、クーリングオフが可能です。また、契約金額については、関連商品も購入した場合、合計した金額が契約金額となります。
業務提供誘引販売取引 (内職やモニター募集)
内職やモニター募集をうたって商品や視覚教材などを販売する方法です。「内職商法・モニター商法」と呼ばれるものです。
以下の要件を満たす場合は、業務提供誘引販売取引に該当します。
- 物品の販売または有償で行うサービスの提供を行う業者であること。
- 業務提供利益が得られると勧誘された
- 特定負担があること
- 事業所等によらない個人であること
契約書の交付の日から20日以内であれば、クーリングオフが可能です。商品・サービス・権利の指定はありません。
特定負担については、保証金など名称を問わず金銭の支払いがあった場合です。
不動産(投資マンション)のクーリングオフ
不動産についてもクーリングオフは可能です。次の要件を満たす場合にクーリングオフを利用できます。
- 売主が宅建業者であり買主が個人であること
- 業者の事務所・自ら呼び出した自宅、勤務先以外での契約
- 継続的に業務を行うことができる事務所以外の施設での契約であること
- 1団の団地を分譲でするための現地案内所以外での契約
宅建業者からクーリングオフについて書面で告げられてから、8日以内であればクーリングオフが可能です。
なお、不動産の引き渡しを受け、代金の全額を支払った場合はクーリングオフできません。
連鎖販売取引 (マルチ商法やネットワークビジネス)
マルチ商法やネットワークビジネスと言われる消費者参加型ビジネスを指します。
以下の要件を満たす場合は、連鎖販売取引に該当します。
- 商品の販売・有償のサービスの提供を業とするものであること
- 再販売・受託販売・販売の斡旋のいずれも対象となること
- 特定利益が得られると勧誘されたこと
- 特定負担があること(1円でも負担があれば該当します。)
- 店舗等によらない個人が契約する場合
契約書の交付の日から20日以内であれば、クーリングオフが可能です。ただし、本部などから仕入れをして、下部の会員に卸売りするときは「契約書面交付日」か「商品が引き渡された日」、いずれか遅い日から20日間になります。
商品・サービス・権利の指定はありません。